○ 雨について.

 

「 明日 雨が降って

それで あたしを迎えにくる

あなた ずいぶん変わったね

ってつぶやいてバイバイしよう 」

 

ずいぶんと前に書いた歌詞。

書いただけのまま。

 

雨が降って、それで

駅前まであたしを迎えにきてほしい。

運転してるあなたの

横顔好きだよ。真剣。メガネ。

 

少し遠回りなんかして、ドライブ気取りで、

あなたが好きなバンドの

音楽を流して、

運転しながら口ずさんで、

「あたしも好きだよこのバンドも

この曲も」

なんて言えないまま、ずっと

ずっとそうやって、

そうやって

フロントガラスのうえで

ワイパーにぬぐわれる雨を眺めて。

 

迎えにきてくれてありがとう 。

どういたしまして。来てくれてありがとう。

優しく頭撫でてほしい。

それで、

広くはないこの部屋で

気が済むまでごろごろしようよ。

雨だから外は出れないね。

寝てしまおうよ。好きって言おうよ。

好きって言ってほしいんだよ。

 

一緒にいて安心する、のは

あたりまえ、で、一緒にいなくても

安心できる人にしなさい、って誰かが

言ってたな。そうだそうだ。

そのとおりだね。

こうやって一緒にいて

抱きしめられて、ぎゅって

されてないと不安なのは、

あたしのわがまま。

でも、少しくらいわがまま言えば

よかったのかな、

と思います。いまさら。

 

ようやく梅雨もおわりそう。

晴れ間も多くなってきて。

こころなしか、

心も晴れ晴れ、ですか。

まあこちらは、そんな感じです。

元気でやっています。

 

 

「 あなたが傷つけたもの

あたしが傷つけたもの 

ぜんぶ それと一緒に

流してしまえたら 」

 

「 この雨が止んだら

あの頃みたいに戻れると 思って

傘に隠れて待ってた

この雨が止んだら

いつも通りあなたは

あたしを迎えにくるんでしょう? 」

 

 

でももう雨はやだな。

空気が重いし髪崩れるし。

 

 

だから、

バイバイ

 

 

 

 

 

 

夏がくるね。

 

みなさんどうおすごしですか。

おわり。

 

 

 

○ 好きなことくらい .

 

好きだと言いたい。

 

かわいい猫が好きだ

いろんな本が好きだ

きれいな写真が好きだ

ここにひびく音楽が好きだ

バンドが好きだ

休日が好きだ

散歩が好きだ

あなたが好きだ、と。

 

嫌いだ、と言うよりは、

簡単だと思っていた。

いつからだろうか。

思っていたより、

なんだか、難しい。

 

歳をかさねるごとに、

互い違いになった紙束を

とんとんと、整えるように、

成長する。

差が、無くなっていく。

統一、されていく。

常識に縛られている。

だんだん、

つまらなくなっていく。

 

そうやって、

体裁を、気にするのだ。

そうやって、

周りの目を、気にするのだ。

うまく生きていく。

大人に、なっていく。

どういうことか。

わかるのはきっと、

もう少し、先。

 

18さい。

好きなことは、まだ

好きと言えないまま。

 

それならせめて、

あなたにだけは

好きと言えたら

今はそれでいいかな、

 

とも、思う。

 

 

雨の季節。

 

 

(はじめまして、あこ といいます。)